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銅版画による色彩の研究と、アートを通した心豊かな暮らしを提案するために版画を制作しています。
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今日、ローマの北部、といっても随分北ですがマグニチュード6という地震が起きました。
テレビではしきりに報道をしております。

僕の居るローマ中心部の我が家では多分震度1強とか2弱程度の揺れが1分以上(体感ですが)続いていたような気がします。
幸いなことに、僕もこの家の周りの地域も何ともなく元気で無事で居ります。

ですが、震源地の方では亡くなった方も、まだ倒壊家屋の下で見つかっていない人も居るようです。
早く見つかってほしいものです。


ご心配おかけしております。
取り急ぎ、岡村は無事で何ともないゾ、という報告をここでしておきます。


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昨日は誘われてお花見をしてきました。
EUR(エウル)というローマのメトロB線で南の方にずっと行った所。



桜の下で布を敷いて、弁当持っていって、寿司を取り寄せて、日本酒飲んで、、、
まるで日本の花見。
ただイタリア人7人、日本人2人という取り合わせが面白くてギャグみたい。


僕は弁当作って、おまけで豆菓子とか梅干しとか持って行って、彼らの反応を楽しんだのでした。

天気もよく、本当にのどかな時間を過ごしました。
池があって公園があって桜が咲いて、、、
ここが日本だって言われても違和感がなくって不思議な感じ。


朝は頑張って早起きして朝日を見ようとしたのですが、
生憎の曇りと朝日の見える方向ではなかったので、見ることが出来ませんでした。
それでもだんだんと空が明るくなっていく様子を見ていました。


白んでいくというより青い暗闇から明るい青へと変わっていきました。

前日の天気予報では雨、ないし曇りだったので、カプリ島へ渡れるか心配でしたが、この様子だとなんとかなりそうです。
曇りとはいえ当然前日の強風とは比べ物にならない穏やかさ。


ナポリ港に煌めく朝の光。
はるか向こうがヴェスヴィオ火山。

行きはジェット船。
波が高かったせいかしっかり揺れる揺れる。
トイレにお籠りになられるお客さんもたくさんおられました。


それでも島について海を振り返るとこの景色。
すっかり天気も晴れて、きれいなエメラルド色にしばし我を忘れます。

第一目的の青の洞窟は波が高くて入れないとのこと。
残念。
けっこう日頃の行いは良くしていたつもりでしたが、なんでかな。

それはそれで仕様がないので、島内観光へ目的を変える。


カプリ島自体は500mを越えるソラーロ山を中心とした平地の少ない島。
それでも世界中から観光客が来るだけのことはあり、高級ホテル、高級レストラン、お土産物屋の通り、エルメスとかの一流ブランド店の連なる通りなどが、全体的にこじんまりとお洒落に小さな町の中にしっかりと構成されていました。
(ちょっと物価も高いような気もしますが、、、)


向こうのソラーロ山に乾杯。


建物の壁の色も白色で統一されて、この美しさは「まさに世界のリゾート地!」と実感させられます。


島内を何種類かの路線でバスが走っています。
それを乗り継いだり、ひたすら歩いたりすると、観光用ではない島の風景も見えてきます。
家も山も海も畑も。
でもどこか見られる所を意識しているのか、お洒落でかわいいのです。
島の端まで行きました。
灯台がありました。
誰も来ません。
でもとても美しい景色があります。
なんだか歩いているだけだけど、
どこに行くのか分からないけど、
ただ歩いているだけど幸せな気分になれる道でした。


カプリの港、マリーナ・グランデ

予定よりずっと長居してしまったので、あわててフェリーで帰りました。
フェリーは時間が掛かるけどジェット船より全然揺れません。
船酔いしそうな人にはオススメです。


フェリーの中より、ヴェスヴィオ火山とそのふもとの町。

幸いなことに、2日目の晩、ホテルの好意で同じ料金のままで海側のテラス付きの部屋へ替えてくれました。
このホテルには最後までお世話になりました。
ナポリ港の目の前。
日本語堪能(?)なスタッフも居るそうです。(僕が行った時は、その人は日本に行ってるって言ってましたが)
でもスタッフの親切さには驚きました。
hostel&hotel Bella Capri、せっかくなのでリンクを。
経済的な宿を探している方向けですが。

本当は今日はカプリ島に行く予定であったが、ナポリ人も異常だ!というぐらいの強風に目を覚ます。
この様子だとカプリ島行きの船は出ないし、もし出ても青の洞窟に入ることは不可能だろう、ということで行き先を変更。
ナポリの町観光へ。

なんだか日曜日のナポリは店も閉まって、人も少ない気がする。

まずはカポディモンテ美術館へ。
ナポリの北、R4バスに乗ってしばらくして山の途中へ。


赤と黒の印象的な建物。
あとで気づくのですが、この赤と黒、ナポリの町中ところどころに似たような建物があり印象的でした。

結構広い美術館で展示作品も13世紀から現代まで沢山ありました。
この作家のもあるの?これもあるの?という感じでした。
気になったのはフィリッポ・リッピ、パルミジャーノ、カラヴァッジョ、ブリューゲル、ゴヤという具合。

続いて国立考古学博物館。
ポンペイから持ってきた壁画、モザイク、彫刻、その他発掘資料などがありました。
なんだか前日の復習をしているような気分。


教科書で見たアレキサンダー大王の壁画がありました。


商売柄気にかかるのは当時の本の印刷に使った銅版。


このようなお洒落な町並みの間に細い路地が這っている。
やはり色使い、形はローマと違います。
ナポリ自体はバス網が発達しているので、うまいこと乗れると便利です。
ただし交通渋滞はナポリの名物なので多少の誤差はしょうがないそうです。
幸いなことに日曜日なので割合道は空いていたのではないかと思います。


宿の近所にあったヌオーヴォ城。
やっぱりお城はカッコいい。
時間切れで内部の博物館は入れず。
こういうのをみると、オール電化ならお城が欲しいなぁと思ったりもする。

夜は歌でお馴染みサンタルチア港に。


卵城に橋を渡って横手にレストラン街があります。
その橋より対岸を眺める。
なんとなくロマンチックな感じでレストランでお食事。

食事に行ったら料理の写真を撮ろうと思うのだけど、いつも食欲に負けて撮るのを忘れる。
思い出した頃には料理はお腹の中へ。
ということで夜は更けていきました。

あとでよく調べるとナポリにはカラヴァッジョ作品が何点かある模様。
その点も事前に調べてまた来ないといけません(カプリ島も含む)。

28日〜31日まで3日間、ポンペイ、ナポリ、カプリ島と周ってきました。

ナポリは一人で行くのが怖くて今まで躊躇していましたが、友達が行くというので、またもや便乗。
おかげで無事に帰って来れました。

ローマより2時間ほど、昼前にナポリに着く。
意外な事にローマからだとフィレンツェよりナポリの方が近いのですね。

来るまではニュースとか人の噂とかでゴミ問題とか物騒な話題をよく耳にしていたので、本当にビビっていたのだけど、来てみると思ったよりも綺麗でちょっとホッとする。
でもローマと比べると十分汚れているし怖いです。

とりあえず荷物を駅に預け、ヴェスヴィーオ周遊鉄道でポンペイへ。

駅を出てすぐにポンペイの遺跡があります。
あまりに鮮やかに世間の喧噪を断ち切るように遺跡が現れるので、一瞬あの世に迷い込んだような錯覚を覚えます。


向こうに見える山がヴェスヴィオス山。
ポンペイを火砕流で呑み込んでしまった山。

途中知り合った日本人親子に案内してもらう。
なんでも先週とかに日本でポンペイについてのテレビの特集があったとかで、それを見て行きたい!と思ってポンペイまで飛んできちゃったんだそうです。
おかげでいろんな事を教えてもらうことが出来てラッキーでした。



このように長い町がずーっと続きます。
歩いてみると、思っていたよりはるかに広い町であることに驚かされます。
じっくり歩くと1日掛かるかもしれない。


道の真ん中、一番低い所は、実は水が流れて運河になっていたそうで、下水の役目も果たしていたのだとか。
住居区域、商店の区域、祭祀する区域など様々な区域が整理されて町が構成されています。


これは大劇場。
2000年前なのですが、ひじょうに高い技術文化を持っていたことが分かります。
石の配置、デザイン、壁画などもかなり優れていることが分かります。

ポンペイというとロマンチックなイメージしかなかったのだけど、来てみるとなんだかいろんなことを考えさせられて、それがいかに甘い考えだったのかと思いました。
本当に死体にそのまま石膏をくっ付けたままで展示してあります。
骨が見えている部分もあったり、壮絶すぎて心が押しつぶされそうになりました。

つづく。

土曜日はフィレンツェへ。
友達が行くというので、かってに付いていく。

行きの列車はイタリアらしく1時間半待った挙句に、運航中止。
その次の列車に飛び乗ってフィレンツェに着いたときには2時過ぎ。

結局、昼食を食べて、ドゥオーモ(大聖堂)を見てその横のジォットの鐘楼に登っておしまい。

フィレンツェは小さな町。
でも観光客であふれかえっておりました。
でも観光客向け以外のお店って土日はお休みなのですね。
だから僕の行きたかった画材屋ZECCHI(ゼッキ)もお休みでした。
できれば地元の版画学校il bisonte(イルビゾンテ)も覗きたかったけどお休み。

そもそもそんな時間もあるはずなく、、、
また今度、また今度と思いながらフィレンツェの町を後にする。



ドゥオーモ。
存在感があるのです。


ジォットの鐘楼から町を一望。


前回のフィレンツェの滞在時間が1時間、今回が4時間。
トータルで5時間に記録更新。


おまけ


発見1
酔っぱらいパスタ。
パスタをワインで茹でてます。
以外に硬派なお味。


発見2
フェラーリ スカリエッティ612

春の陽気に誘われて、ローマから北へ鈍行列車で3時間、ヴィテルボ(Viterbo)の町へ。

この町でコンテンポラリーアートフェアが開かれると聞いて来てみたのです。
肝心のアートフェアは面白いこともなく、あっさりとしたもの。

しかし、町の姿が面白かった。
行くまで知らなかったのですが、ヴィテルボは城壁に囲まれた中世の町並、そのままが残る町でした。
多分1時間もあれば城壁沿いに町を一周できるのではないのかと思うぐらい小さな町。
ほんとに駐車している車さえなければ、現代なのか中世なのか分かりません。


起伏の激しい土地に折り重なるように家が建っています。
城壁と門、石畳、外階段、法王の館、噴水、大聖堂、石の壁、教会、自然、鐘楼、、、、、


ファウル谷と法王の館。


町ではアンティーク市が開かれていて、掘り出し物を発見。
持ち合わせのお金を全部叩いて買う。


1740年の銅版画の原版。
これはビュランの仕事ですね。

車中から眺める田園風景も素敵。

往復で10€掛からないのですから、イタリアの鉄道の料金の安さと言ったら。

ローマ国立近代美術館でサイ・トゥオンブリ展が始まりました。



サイ・トゥオンブリは抽象表現主義のとっても重要な作家で、
日本では名前は有名だけど実作品をなかなか見る機会の少ない作家でもあります。

今回の展覧会は1950年代から現在に至るまでの絵画と彫刻が展示してあります。

代表的な文字を画面上に書きなぐったような物もありました。
無地ないし薄い単色のキャンバスに即興的に書かれた(様に見える)鉛筆やパステル、絵具などの線が、豊かな表情を持って、絵画を形成しています。
こういうのを見ていると絵ってええなぁ、と思わせる瞬間でもあります。


常設展ではデュシャンの作品を何点も見ることが出来ました。


ボルゲーゼ公園では花が咲きはじめ、花見に訪れている人たちもたくさん居ました、
ローマももう春やなぁ。

ここのところ合間を縫って木口木版画を作っています。
だんだんマニアックな世界になってきました。

なんとか版を四苦八苦しながら彫り上げる。
しかし刷りの段になってうまく刷れない。
インクの粘度と紙の問題。
インクはシャルボネのレリーフプリント用のインク"VIGNETTE BLACK LUXE RSA"。
これは日本では見かけなかった種類だと思う。
でもインクがすっごく柔らかい上に全然乾かないのが困りもの。

結構、画材屋にも和紙は売ってはいて、いろいろ買って試してはみるものの、これはというものに出会わない。
やはり雁皮紙が一番良いのか。

何日か作業した結果、このままでの刷りを続けたって、ロクなことにならないと思うので中止。
とりあえず日本から送ってもらうのを待つことにする。


画像はヴァチカン、サンピエトロ寺院屋上の使徒の彫刻の裏側。

昨日、クイリナーレ宮(大統領宮殿)のフートリズモ(未来派)100周年記念展に行ってきました。
ずっと雨が降ったり、寒かったりの日々でしたが、ありがたいこと晴れている。

クイリナーレ宮の展覧会はものすごく気合いの入っている展覧会が多いので見応えがあります。

100周年ということでイタリア各地で関連の展覧会が開かれています。
http://enit.jp/blog/2008/12/futurismo.html

さすが開会3日目、さらに日曜日ということで、結構な人の量でしたが、思ったよりじっくりと見れました。
印象派、キュビズムに「機械、工業、近代化、速度、動力、運動、音、光、、、」を表現するというコンセプトをプラスして未来派になったのであろう変遷がよくわかりました。
1909年から1911年の間に作家のスタイルが急激に変化しているのが面白い。
良い展覧会です。

ピカソ、ブラック、レジェなどのキュビズムの作品もありました。
デュシャンの「階段を降りる裸婦」が見れたのは嬉しかった。

正直、見るまでは未来派はあまり興味の対象ではなかったのですが、見方が変わりました。
やはり現物を見ないといけないなとつくづく思う。
なによりウンベルト・ボッチョーニの煌めくような才能に魅かれる。

びっくりしたのがライティングの遊び心と言うか妙。
やるなぁ、学芸員、と感心しました。
今度、自分の展覧会でもやってみよう。

展覧会に行く度に残念に思うのは、カタログを買いたいのだけど、日本に持って帰ることを思うと断念しちゃうこと。
財産になるのだけどな。

展覧会場を出ると、外の広場で警察か軍隊か分からないけど、演奏会をしていました。
イタリア国家から始まってサーカスでおなじみの曲「剣士の入場」まで。
最後はマーチングしてクイリナーレ宮に帰っていきました。


なぜかカメラのバッテリーが切れていて、何も撮れなかったので、ヴァチカン美術館、出口に至る螺旋階段。

近所にビール専門店が出来たので、行ってきました。
四方の壁が全部いろんな種類のビールで埋まっていて面白かったです。

日本のビールを教えろというので恵比寿ビールを勧めてきました。

ちょっと奮発して、ベルギーとチェコのビールを買いました。

ベルギーのビールは紙の袋に包まれています。
その包みを開けると、瓶に何も貼っていません。
エチケットがないのです。
僕は暢気なので、面白いなぁと思っていたのですが、、、。

それを見た、家主のルイージが怒りだしました。

イタリアではエチケットのない物(ビールもワインも)なんて存在しないのだとか。
エチケットは中身の保証だそうで、そのエチケットがないということは
水が混入されていても、中国産ビールであっても文句は言えないのです。
包みに内容書いてあるよと、というと、袋は袋、エチケットじゃないといいます。

確かに、レストランなどではワインなどの瓶は、必ず客の前で開けなくてはいけません。
なるほどと勉強になった瞬間でした。


イタリア人の生活は、今までの伝統に則って生きているので、けっこうタブーっぽい物が有ったりします。
さらには迷信と言うか、信心深いこともあってか、これがダメだと決めると、頑に守ったりします。

その中のひとつが、電子レンジ。
イタリア人に言わせると、
「だって電磁波だよ。
身体に悪いに決まってるじゃん。」

我が家にはありませんし、友達の家(僕の同世代)にもありません。
電子レンジ本体とか、レンジを使う冷凍食品なんかも、もちろん売ってないことはないのですが、あまり見かけません。

そういえば以前、学校の先生に電子レンジは日本では料理屋さんだって使ってるよ、って言うと、
「そんな店は絶対美味しくないはずだ、絶対行きたくない」
と叫んでいた記憶があります。

便利なんだけどな、、、と思います。
でも今の所、なくても生きていけているので、なくてもいいのかな、、、と思ったり。


画像はローマ、コロッセオ。

30
2月に入って、だんだんと冬らしく寒くなってきましたが、ありがたいことに今日は晴天。
町の噂ではどんどんと寒くなるらしく、寒いのが滅法苦手な僕は戦々恐々。

さて今日はおかげさまでめでたく30歳の誕生日。
ヴァチカン、サンピエトロ寺院のクーポラに登りました。
クーポラは地上から約120メートル以上あるサンピエトロ寺院の頂上。
途中まではエスカレーターがあるけど、それ以上は階段。
だんだん狭くなって、身体を斜めにしたり、身をよじったり、手摺代わりのロープにぶら下がったりして登ります。
体力がないと結構へたります。


写真で分かるでしょうか、真ん中辺の手摺に人が沢山居るのが、
登ってみると思ったより高かったです。
その甲斐あってローマ中が見渡せます。


遥か向こうには雪を冠った山まで見えました。
クーポラから見ると広場には人はまばらだったのですが、
降りてみると、、、


沢山の人だかり。
さすがに誕生日はありがたいなぁ。
皆さんでお祝いしてくださるのかと思うと、、、、


日曜日、折しも12時ということで、ヴァチカンのパーパ(法王様)が挨拶なされている所でした。
(厚顔無恥で申し訳なし。)

ローマ中を見渡せるクーポラに登って、30代初の誕生日の今日に何を思い、何を心に期したかは、自分でもよくわかりませんが、また明日からコツコツと勉強していきたいと思っています。

身勝手ではございますが、どうぞよろしくお願いいたします。

今はラグー(ミートソース)を煮込んでいます。
本にはトータル4時間煮込めって書いてあります。
あと1時間です。

日曜日にいっぺん行ってみたいと思っていたIKEAへ。
日本にも何店舗かあるスウェーデンの超大型家具店。


土日は凄い人で混雑しているよ、と言われたけど、行ってみるとそんなに動けないってほどではなくて安心。
スウェーデンレストランも中にあって、ちょっとしたアミューズメント施設。

こういうところへ来て見ていると欲しい物が沢山出てきちゃうんだけど、日本に帰る時のことを考えると、二の足三の足を踏んでしまいます。

場所はメトロA線の終点Anagninaからバスで一区間。
ローマ市内の端の方なので、のどかな風景が広がっている。
面白かったのは、草むらのなかにぽつんとこんな建物が建っていて(残っていて)風情がたっぷり。


スゲーなぁ、って思って裏に回るとしっかりと落書きがされていてがっくり。


イタリアってこういう所。
なんだか夢のようなところだなぁと思って油断していると、しっかりと現実に引き戻してくれます。


土曜日にふらふらと散歩している時に、オッタビアーノのメルカートがなくなって困ったなぁと思っていたら、どうやら引っ越ししていた模様で発見。
今までは100mくらいの道路を挟んで何通りも、何十店舗も露天が列んで、まさに近所のローマ市民の台所でした。
ごちゃごちゃとして、人もドンドンぶつかっ来るような感じの所。
野菜も肉も魚も果物、雑貨まで格安で売っている、見ているだけで楽しい場所。
今は時間も経って、店舗自体が解体されている状況で、どうしたのって(いうか困ってた)思っていましたが、なんと近所に新しく出来た建物に移動していました。
新築だからきれいだし、一塊になってるし、なんだか閉店間際に行ったのに、それだけで感動してしまいました。
なんだか嬉しいなぁ。

日本にはスーパーマーケットがあるけど、メルカート(マーケット、市場)があるって素晴らしいです。
詳しくは、また今度。

日本から届いた物とこっちで買ったもの。


ビュランと言います。
要は西洋風の彫刻刀です。
これで木や銅の板なんかを刻んでいきます。
身近な所で言うと日本のお札。
一万円札、5千円札、千円札の図案などもビュランで彫っています。
図案を彫る財務省印刷局の工芸官の間では「針研ぎ3年、描き8年、美蘭咲くのは18年」、また版画家の中ではビュランが一流に使えれば食いっぱぐれがないよ、といわれるほど難しい道具。

僕もこれがそれなりに使えるようにならないことには、単なるおもちゃ。
もうしばらくはおもちゃのままですが、頑張って仕事の道具に出来るようにしたいものです。


追伸、本日ようやく荷物と一緒に皆様からの年賀状が届きました。
ありがとうございました。


学校の通り道に貼っているチラシに誘われて、supermagicを見に行ってきました。
イタリア中を巡回公演しているのですね。

今回は総勢7名のマジシャンの舞台でした。
転換をどうするのかなと思ったら、クラウン役の人が間をつなぐという方法。
やっぱりこの方法がベターなのかな。
サブタイトルが「mondi d'illusione(イリュージョンの世界)」のわりには、大掛かりな物は少ない気もしましたが、知ってるマジックから知らないマジックまで面白く、十分楽しめました。

最後の出演者全員での挨拶のとき、いいなと思ったマジシャンへの拍手が大きいのはイタリア人の分かりやすい性格なのでしょうか。

帰りに案の定、マジックグッズを買ってしまいました。
ウォンド(マジシャンが指し示したりする棒)、デック(トランプ)のセットの物。
なぜか「あの人、大人なのにウォンド持ってる」っていう目で子供たちに見られてしまいましたが。


明日から2月だからでしょうか、今までほとんど毎日、1日に1回は雨が降っていたのに、ここのところ晴天ばかりです。
気候もぼつぼつと変わりつつあるようです。
そのせいか目が、、鼻が、、「?!」と言っております。
花粉が飛び始めたのかもしれません。

先日、日本料理を振る舞ったフランス人の友達が、フランスに帰ったとかでチーズをくれました。
わざわざパリの有名なチーズ屋さんで買ってきてくれたとかで、ヤギのチーズ、カマンベール、名前忘れたの3種類です。
ということで、帰宅してその3種類を小さく切って、生ハムを添えて本日のアンティパストといたしました。
個人的には名前を忘れたチーズが一番の好みでした。
また明日、名前を聞いておこうと思います。


という訳で、今日も幸せな一日。


今日は1月の最終日曜日なので、無料開館日のヴァチカン美術館へ。
さすがに無料の日、9時半に行ったけど長蛇の列。
前回行った時は10分も列ばなかったけど、今回は75分列びました。

何度見てもシスティナ礼拝堂のミケランジェロは素晴らしい。
天井全体が渦巻きを描くように、描かれた人物が動いています。
こっちの人物を見ると、あっちの人物がザワザワ、あっちの人物を見るとこっちの人物がザワザワ。
フィギュラ セルペンティナータ(figura serpentinata)と言うのかな、身体をねじった螺旋状の渦巻き(スパイラル)が全体、個々の力強さ、効果を増幅します。

よく見ると、結構あっさり描いている所と、力一杯描いてある所もあって面白い。


画像はヴァチカンじゃないけど、スパーダ宮遠近法の間。


ラベルが逆だったりしますが日本酒も手に入る昨今。
おおらかやね。
使っているのはカルフォルニア米だって書いてありましたが。

昨日はフランス人のクラスメートが日本料理を食べてみたい、ということで振る舞ってきました。
聞く所によるとフランスでも日本料理はお寿司を筆頭に、健康的ということで人気なんだそうです。

で僕が作ったのは、あまり健康的とも言えないけど、カツ丼と、豚の角煮。
豚の角煮が予想外に好評で、おかわりまでして食べていました。
前日に3時間煮込んだだけのことはあります。

お返しにフランスのチーズとワインをくれるそうです。

今日も教室でイギリス人と話していて、日本料理は有名だという話になりました。
反対に、僕が知っているイギリス料理はフィッシュ&チップスとローストビーフだけ。

外国の人は自国以外のことを関心が強いのか、よく知っています。
そういうのを聞いていると、自分の国のことも知らないといけないけど、相手の国のこともある程度は知っておくのが礼儀なのかなとも思います。



ローマも類に漏れず、風邪、インフルエンザが流行っています。
私もついうっかりと風邪を引いてしまって、
直りかけたり、ぶり返したりとしばらく難渋しました。
緊張感がなくていけないなぁと、反省しきり。

その間に、年賀状届きましたよ、と丁寧にもお返事を何通か戴きましたので、折角なので制作の顛末を。

今は毎年の銅版画を作れる環境にないので、木版画での制作。
知らない土地というのは困ったもので、その版木も道具もありません。
画材屋に行っても版木?何それ?と言った具合で困りました。
端っこの方にキャンバス代わりなのか、何用か知りませんが気の板が売っていたのでそれを代用とする。


一版目を彫ったところ。


刷り上がり。


これで50枚ぐらい。


2版目を彫ったところ。


こういう感じで絵具をつけます。


で、刷る。
ヨーロッパにはバレンがないので、(スプーンの尻で刷るという伝統はありますが、、、)


アンチョビの瓶で刷りました。
小さくて持ちやすくて意外に有能。


2版目、刷り終わり。


3版目彫り終わり。


刷って、乾燥させます。


完成。


今回のモチーフがこれ。
カーテンとかの紐の端っこにくっ付けるもの。
名前はなんと言うのでしょうか。


今回使った絵具はイタリアが誇る絵具メーカー、マイメリのアクリル絵具。

今回困ったのは、糊がないこと。
木版画の糊は絵具の定着を促進し、乾燥を遅らせる為に使用します。
いわゆる大和糊なのですが、大和って言うのだから日本のものだとは思っていたけど、まさかイタリアに似たようなものすらないとは思いませんでした。
画材屋、文房具屋に行ってもスティック糊ばかり、ペースト状の物って言うと木工ボンドが、ほらチューブに入って、、、と言うと、瞬間接着剤みたいな物が出てきます。


ということで、今回は苦肉の策で乾燥遅緩の為にアラビアゴムを混ぜました。

学校が始まりました。
冬休みの間にすっかりイタリア語の細かい所はぶっ飛んでいるので、これからのリハビリが大変です。
ところが翌6日はローマはヴェファーナの日で祝日です。


前から気になっていたコレを買ってみる。


店先とかにぶらーんぶらーんと連なってつり下がっています。
ソーセージだとは思うけど、白いし、、、
家主のルイージに「これなに?どうやって食べるの?茹でるの?焼くの?」って聞いたら、なんとサラミなんだそうです。
で、そのまま切って食べるんだそうです。
茹でたりしたら、美味しくないよ、とのこと。

早速切ってみました。


周りの白い皮はきれいにむけます。
しかしこっちの肉の加工品は本当に美味しい。
素直に肉の旨味、風味、素敵な歯ごたえがします。
こればっかりは日本では味わえません。
輸入されたものもちょっと違うのです。
なんで日本で作れないのかな?と食べるたびに思います。


日曜日にはポルタポルテーゼの蚤の市。
この素晴らしい商品ラインナップをご覧ください。


盗品も並ぶと言うポルタポルテーゼの蚤の市、おもしろいです。

あけましておめでとうございます。
私はヴァチカン、サン・ピエトロ広場で新年を迎えました。
ちゃんとスプマンテを持っていきました。

思ったより神妙なカウントダウンでした。
(たぶん他の所はもっと賑やかだったんだろうと思います。)
というのもその周りで花火バッカンバッカンあげていまして、サン・ピエトロ広場は高い建物に囲まれているのでほとんど花火自体は見えず、雷のような轟音だけが聞こえました。
(それがまた劇場のようによく響くのです。)

帰りの通り道が火薬臭いのです。
アパートの屋上なんかでも、花火あげてます。
屋上の道を挟んでお向かい同士で花火の打ち合いをしている所もありました。
火の粉が道を歩いていると落ちてきます。
道の真ん中で大型花火を普通にあげていて、その爆音で車の警報が作動しています。

という感じでローマの今年も始まりました。
9月頃帰国予定です。

どうぞ、本年もよろしくお願いいたします。
素晴らしき年となりますことを心よりお祈り申し上げます。



ローマはまだクリスマスの曲が流れています。
ツリーもそのまま。
正月よりもクリスマスの方が大切なイベントのようです。
お店もお休みはしないそうです。
とはいえ、もちろん新年へのカウントダウンだけは特別なようで、花火を売ったり、切り替わり時の乾杯はスプマンテと決まっているようで、ニュースなんかでもそんな関連ものが流れています。

さてHPのworksに新作をアップいたしました。
ローマに起つ前に、日本で作った作品です。
来年は淳風会健康管理センターでの高橋秀監修 21 秀art studioスタッフによる 新春寿展「20cm平方の宇宙」でスタートいたします。
今回の新作を出品いたします。
どうぞ、ご高覧くださいませ。

★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
高橋秀監修 21
秀art studioスタッフによる 新春寿展
「20cm平方の宇宙」

会期:2009年1月13日(火)〜2月14日(土)
会場:淳風会健康管理センター
   tel.086-226-2666 fax.086-226-0370


それでは残り少ない今年、そして明けて来年も皆様にとって佳い年でありますことを祈っております。
Felice Buon Anno!



サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ教会。
手前の像はミケランジェロ作。

先日作った、ニンジンのピュレのパスタ。


手間と材料を省いた割にはうまく出来ました。
こっちのニンジンはどれを食べても甘みが強くておいしいです。
今度はレシピ通りガッツリ作ってみたいです。

愛読書?の「アルポルト」片岡護のパスタ・スペシャリテ60を参考に作りました。
ただし我が家のイタリア人には「そんな料理聞いたことがない」、と言われてしまいましたが。

こっちに来て衝撃だったのが、パスタの硬さ。
日本でもアルデンテという単語は普通に使いますよね。
ローマで初めて食べたレストランのがめちゃ硬かったのです。
文句言ってやろうかと思いましたが、我慢しました。
その次に食べたのもめちゃ硬かったのです。
口の中でバリバリ音がするくらい。
(実はそれはたまたまで、柔らかい所の方が多いのですが。ちなみにパスタの硬さは北の方が硬くて、南の方が柔らかいらしいですが)
でも、今ではそれに慣れてしまい、硬くないとなぜか悔しくなってしまう自分がいます。

クリスマスのせいか、なんとなくローマは静かな感じがします。
みんなウズウズはしているみたいだけど。

いまこっちは夕方の6時なのですが、さっきバチカンのサンピエトロ広場に行ってみたら、ちょっとしたお祭りをしていました。
劇をしてお説教があるのだと思います。
(クリスマスの起源がどこかは知らないけど)バチカンなので本場のツリーとクリスマスです。
始まってちょっとして寒くなってきたので、帰ってきました。


本場です。

帰宅すると、一人でご飯食べる予定でしたが、ホストファミリーの人が、今日は家族が来るから一緒に8人で食べましょうって誘ってくれました。
ありがたいことです。


ちなみにこれを部屋の扉に貼って、世間様のクリスマス気分に便乗しようとしています。


詳しくはバルーンおやじさんのサイトをご覧ください。

それでは、
Felice Buon Natale e Buon Capodanno!

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プロフィール
HN:
yusuke-okamura
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/02/15
職業:
版画家
趣味:
大道芸
自己紹介:
銅版画による色彩の研究と、アートを通した心豊かな暮らしを提案するために版画を制作しています。
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