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銅版画による色彩の研究と、アートを通した心豊かな暮らしを提案するために版画を制作しています。
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先日は秀桜基金でも一緒だった佐藤さんとお食事会。
わがままを言って、食材を持って佐藤さんのアトリエにお邪魔しました。

佐藤さんはドイツ、岡村はイタリアということでドイツ、イタリアの食材中心の食材。


チーズもエメンタール、グリエール、パルミジャーノレッジャーノ、モッツァレッラなど、ドイツ、イタリア、スイス、フランスから8種類。
ビールはドイツ、ワインはイタリア(ワイナリーで働いていたチェコ人の友達にもらった物)。
ある意味偏っているけど、日本で買うと結構豪華な物ばかり。
国際的だ。

外国と日本の違い、絵の話などで盛り上がりました。
佐藤さんはいつも勉強されているので、いつも教えてもらうことばっかりでありがたいことです。

遠慮なく愉快な夜でした。

佐藤さんから頂いた情報です。
2010年2月〜6月、「カラヴァッジョ没後400年」展がローマ、クイリナーレ(大統領宮殿)で開かれます。
僕にとってもイタリアで一番集中的に、研究もあって見た絵がカラヴァッジョ。
イタリア人にとっても(もちろん世界でも)特別な絵描きです。
チャンスがあれば、ぜひ見るべきの展覧会になるはずです。


今日は30日ということで
親戚が集まってのお餅つきでした。

ということで、当ブログは多分今年最後の更新にあるはずです。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいますよう、お祈り致します。
本年も当ブログ「音連れの庭から」をご覧くださいましてありがとうございました。


最後に、来年の展覧会の予定です。

秀 art studio 新春寿展
2010年1月13日〜2月27日
淳風会健康管理センター / 岡山
〒720-0067 岡山市北区大供2-3-1
新春恒例、淳風会健康管理センターでの秀 art studioスタッフによるグループ展。
今回はスタッフ全員、1つずつ版画集を制作して発表致します。


個展 岡村勇佑版画展
2010年3月10日~22日
アートガーデン
〒700-0031 岡山市富町1-8-6
岡山市のアートガーデンでは2度目、帰国後としては初の個展をします。


個展 岡村勇佑展
2010年9月21日〜11月6日
淳風会健康管理センター / 岡山
〒720-0067 岡山市北区大供2-3-1
グループ展では度々お世話になりましたが淳風会健康管理センターでの初めての個展です。

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どうも、久しぶりの更新です。
やたらと忙しくブログの更新もままならない日々で、ご心配をお掛けしています。
元気ですのでご心配なく。

さて次回の淳風会での展覧会のDMが届きましたのでご案内致します。



★☆★☆★☆★☆★☆★☆
秀 art studioスタッフによる新春寿展
会期:2010年1月13日(水)~2月27日(土)
会場:淳風会健康管理センター
     4F スペースヴェーネレ
   〒700-0913 岡山市北区大供2-3-1
   tel.086-226-2666 fax.086-226-0370

今回はスタッフそれぞれがオリジナルの版画集を作ってのお披露目です。
私、岡村も一冊、版画集を発表致します。
木口木版画7点の版画集になります。
ただ今、鋭意制作中で、完成までもう少し。
出来上がったらこのブログでも発表したいと思います。


昨日は忘年会ということで菜乃花へ。
一年以上ぶりにお伺いしたけど、温かく迎えていただいて、仲間の持つ素晴らしさに感謝感激でした。
偶然出会えた方々もあって嬉しい会でした。
菜乃花はいいところだなぁと大変にありがたいことでした。


ということで、また慌ただしい日々に戻っていきました。


ブログをアップしようとすると、画像の容量が一杯ということで、解決するのに時間がかかりました。


先日は趣味の潮干狩り。
浅口市と笠岡市の県境の浜。
もう、1年以上出来なかったので恐る恐る。
もう季節外れと言うこともあって、水も冷たい。
それでも思ったより大きいのが沢山取れて満足。


でも食べてみると、ひとつのアサリの中にひとつはカニがいる状態。
アサリよりカニの方が多いぐらい。
なぜ、カニが消化されていなかったのか、とても不思議です。


そして、その晩ご無沙汰のビストロ・プチラパンへ。
シェフも帰国を喜んでくれたみたいで、ありがたかったです。


ソフトシェルクラブのフリット


キングサーモンのマリネ サラダ仕立て


ワタリガニとニラのキッシュ


仔羊のスペアリブ

あとトマトのポタージュとイベリコベジョーダを頼んだのだけど、食欲に負けて写真を撮り忘れました。
仔羊のスペアリブのソースがメチャ旨くて、おかわりしてソースだけ飲みたいぐらいでした。
この日はシェフが9時から用があるということで、早めに閉店しちゃったのだけど(もちろん知っててお邪魔してるのだけど)、そうじゃなかったらもう2品ぐらい食べたかった。


ワインはイタリアから持って帰ってきたワインを持ち込ませてもらいました。
COSTANTIのブルネッロ ディ モンタルチーノ。
最初の酸味から徐々にブルネッロらしい味わいになっていくのが面白かった。
僕としてはもう少しポテンシャルがあるかなと思っていたのが残念。
きっと車の中でガタガタ揺らし続けちゃったのが善くなかったのかな。
それでも、料理との相性も良く美味しいワインでした。
ちなみにこのラベルが好きなんです。

ここのところ某所より依頼された文章を書いているのですが、なかなかまとまらないものです。 短い文章なのに四苦八苦。
苦手なことは苦手苦手って思っていると尚更苦手感が高まって良くないなぁ、と思う。 結局は自分の言いたいこと、意見をはっきりと文章にできてないからだということは、よくわかるのだけどどうすればよいのだろう。
ノホホンノホホンと暮らしたツケがやってきました。
と言いながら3日間悩んだ挙句、なんとか骨子が出来たので、明日までにはうまくまとめ上げられたら善いのですが。

T先生、随分お待たせしてしまって申し訳ありません。

この際ということで溜まっていた手紙やら文章やらを終わらせておきたいのだけど、あぁ、集中力が足りない。 でも早くしないと落ち着いて制作出来ないので、もう一踏ん張り。
さて、今日は僕と同じ第2回秀桜基金留学賞の受賞者の佐藤さんが秀先生、桜先生の所にに帰国報告に来られました。
元気そうで、とても素晴らしい体験を沢山積まれて帰って来られたので、話を聞いていると僕も嬉しくなります。
と言っても僕も1月前に帰国したばかりですが。

ということで、今日も沙美の浜は幸せな一日。


そんな夜は友達より送ってもらった、、、

こしひかり越後ビールが滲みる。 シャープで料理を邪魔しないあっさりなお味。 明日は、子供達の絵画教室で作った御神輿でアトリエの近所を練り歩きます。
今日はタンスと本棚が欲しかったので家具屋さんに物色に。
結局、椅子を買いました。
自分の部屋用、安くてそれなりに良いのがありました。
あとはアトリエ用の椅子が欲しいのだけど、なかなか気に入るのがない。
作ろうかな。


さて展覧会のお知らせです。
秀 art studioでの同僚の小山田先生の個展です。


★☆★☆★☆★☆★☆★☆
小山田 匡範 個展
会期:2009年11月4日(水)~1月9日(土)
会場:淳風会健康管理センター
     4F スペースヴェーネレ
   〒700-0913 岡山市北区大供2-3-1
   tel.086-226-2666 fax.086-226-0370


本日は久々に東奔西走。
朝は沙美のアトリエにちょいとお手伝いに。
でも間に合わずに、僕が行った頃には用済み。
ごめんなさい。

その後、福山の美術館に銅版画の講座2回目。
今回は特別講師で倉敷芸術科学大学の田中先生と一緒にエッチングを教える。
受講生の方にもひとつひとつ喜んで戴けているようで有り難い。
この講座は皆さん真っ白な気持ちで来ていただけるので、教え甲斐があって面白い。

そして夜は玉島に戻って、地元の方々に呼んでいただいてイタリアについての話をする。
主にイタリアの国を挙げての文化を支援する姿勢についてのお話をした。
ちょっと話が堅かったかな?
こういう場でお話をさせていただくのは初めてなので、ドキドキして上手くお話が出来ないのがもどかしくて申し訳ない。
僕のお話の後、作陽音大の能登さんがピアノを弾いてくださり、場を盛り上げてくれて助かった。

玉島の人たちは、個性的な人たちが多くて楽しい。
それで居て玉島を愛しているのがよく伝わる。
倉敷市の中でも玉島、ちょっと面白い所です。


それから新作。


”景 - 花の祭り”
15.5 x 13.0 cm 2009年 
木口木版 ed.15


今日は久々に岡山へ。
岡山県立美術館の「ターナーから印象派へ」展、アートガーデンの荒木珠奈 銅版画展、事画廊の松嶋一倫展と雑貨屋さん2軒を廻って帰宅。

帰ると製本材料屋さんから製本用の布見本が届く。



今懸案の仕事は、来年1月の淳風会健康管理センターで発表する版画集のこと。
タトウを自分で作るのだが、当然なことにいろいろと試行錯誤が必要。
黒い函にするつもりだったけど、この布見本を見ると色も使ってみたくなる。
中身の版画が白黒なので、外函を色にした時の効果はどうなのだろうか。
一番良い効果を狙っていきたいとは誰しも思うこと。
目録の印刷、タイトル、まだまだ山積み。


木版画を作っていて気付いたこと。
今まで作っていた銅版画では引いた線がそのまま黒色の線となる。
それに対して木版画では引いた線(削った線)と引いた線の間の凸部が線となる。
こんなことにいまさら気付いた。
きれいな線を引くにはまだまだ修行が必要です。

しかし、刷り終わって2週間以上たつものが全然乾かないのはどういうことなんだろう。
困った。
刷り直しだけはやだなぁ。

やればやるほど技術の歓びというのが出てきます。
マニアックになればなるほどあって、銅版画、木口木版画なんてのは技術の競い合いのような所があります。
もちろん専門にするということはそういうことなんだけど、その技術の歓びに浮かれ過ぎてしまうのも怖くもあり、ワクワクもする。
技術優先の作品作りはつまらないけど、さりとて最低限の技術は欲しい。

新しいことを始めるとワクワク感が随分強いものです。
今やってる木口木版の仕事はそんな感じ。
ビュランで版木を彫る。
バレン、スプーンで紙に刷る。
技術を習得している時の集中力と勢いを想像力に移し変えることができるといいなぁ。


3歩進んで2歩下がるぐらいのペースでいけたらと思う。

荷物をぼちぼち片付けつつ、日々が過ぎていきます。

近況としては、昨日からふくやま美術館の銅版画講座が始まりました。
少人数なのでびっちり取り組むことが出来て、ちょっと面白い講座になりそうです。

今の制作としては木口木版の小品をまとめて制作中。
集中力もまあまあ、リズムが出来て良い感じのペースで出来ています。
とりあえず、今日のノルマの刷りは終了。


画像はフランスとイタリアの比較を。


きれいに区画整理されているのがフランスの大地。


なんだかゴチャゴチャなのがイタリアの大地。

そういえば、先日近所のスーパーでイタリアのチーズ、パルミジャーノレッジャーノを買おうとしてぶったまげました。
70gで700円強。
イタリアでこのサイズなら50円〜100円。
こりゃおちおち買ってられないですね。


連夜の深夜パトロール(居酒屋、バーへ)がたたってか、風邪気味。
と言う訳で、今日は早く寝ます。
また明日頑張ろう。

更新が遅れましたが、おかげさまで無事、日本に帰国致しました。

1年ぶりの日本は、あまりに変わった所がなかったので、1年も留守をしていたのは本当だったのかという不安にかられました。
まさにイタリアは一睡の夢のなんじゃないかと思いました。
でも正直、夢のような出来事だと思っています。

帰ってくるとローマから送った荷物が玄関に山のようになっていて、片付けが大変でした。
というかまだ終わっていません。

帰ってきてすぐは、ローマ関連の本を見ては涙涙の日々でしたが、少しずつ(ウォーミングアップみたいな感じで)制作を始めたので、心も切り替えて来れつつあります。
それでもローマが懐かしいなぁ。
また行きたいなぁ。


ということで、ローマの名残を食べ物の写真に乗せてお届け。


ローマの下町、テスタッチョ地区にあるピッツェリーア"REMO(レーモ)"のカプリチョーザ。


パンテオンの横の名店"trattoria Armando al Pantheon(アルマンド・アル・パンテオン)"のカチョ・エ・ペーペ。


ぼくがローマで最もよく通った店(家の近所だったので)、"L'isola della pizza(リーソラ・デッラ・ピッツァ)"のビステッカ・フィオレンティーナ(フィレンツェ風ステーキ)。


大人気のジェラテリア ジョリッティのスイカとピスタチオのジェラート、コーンにはチョコレートが付き。
と思う間に今日が最後のイタリアです。

と、タイトルに「あれよあれよ」と書いた所で、候補単語(過去に書いた単語を呼び起こして候補にしてくれる機能)が出てくる。
検索してみると1年前、渡伊10日前(ちなみに1年前の昨日でした)に書いた記事のタイトルでした。
はからずも、この1年での成果がどういうものだったのかが、出て来たのです。
オシテハカルベシ。


日本を発つとき、秀桜基金の授賞式で設立者で僕の先生、高橋秀先生が「遊んで来いよ!」と言ってくださいました。
遊ぶという言葉をイタリア語で話す時、イタリア語に「遊ぶ」はgiocare(ボール、ゲームで遊ぶ)という単語がありましたが、意味が違います。(他にも単語があるそうですが、未熟なもので、、、)
そして僕が辿り着いた解釈がvivere(生きる、生活する)でした。
その瞬間、「お前はどのように生きるんだい?」という言葉が脳天に響き、身震いをしました。

実際、1年間イタリアで何をしてきたのかと言われると自分でもうまく説明できませんが、とにかくただ生きてきました。
それが今、帰国に臨んで出てくる思いです。

様々な方々から、帰ってきたらどう変わるのか(人間も作品も)楽しみだよと言われました。
でも結局、気付いたのは傲慢なようですが自分は自分、と言うことでした。
自分では、全然変わっていないように思うのですが、変わることは出来なくても、少しでも進化、深化できていればと思っています。

自分一人では不可能であろうこのような体験、機会を与えてくれた秀桜基金留学賞に感謝しています。


明日には機上、明後日には日本です。

なんだか言葉足らずで変な文章ですが、これからもご支援、ご鞭撻を戴けたらと思っております。
どうぞ、よろしくお願い致します。


1年間住んだローマ、さすがにお別れを言う時は寂しいものでした。
最後にお世話になった学校に挨拶に行った家への帰りは、少し涙が出ました。

では、また日本で。

パリの旅、最後はジヴェルニーです。

パリから西へ約80km、オート・ノルマンディー地方のジヴェルニーは印象派の画家モネの庭があることで有名です。

正直、印象派に興味はないのだけどオルセー美術館やオランジュリー美術館でモネの絵を見てチャンスがあるならジヴェルニーにも足を延ばすのも悪くはないな、と考えたのです。
そう思っているとジヴェルニーへのツアーがあることを知ったので、渡りに船、と参加しました。

バスに揺られて1時間半、寝てたのであっという間。
のどかな気配の田舎にやってきました。


花の庭。
けっこう広い所に様々な花が植えられており、四季それぞれで楽しむことが出来る。
10人ほどの庭師が毎日手入れをしているとのこと。


モネの住んだ家。
なかなか立派な作りです。
日本好きという噂通り、中にはたくさんの浮世絵が飾られている。
北斎、広重などという有名な錦絵もたくさんある。

さて、庭は花の庭と水の庭の2つがあります。
水の庭は家と花の庭から道路をはさんだ向かい側。


地下道をくぐって水の庭に出ると、モネの絵の世界がそのまま広がっていました。


たしかに日本っぽいような気がする。


僕の想像だと橋は赤色だと思っていたけど、人工的な緑色で違和感があったけど、見ているうちに慣れてきた。


この庭を作る時には市側とすったもんだしながら、近くの川の水を引き入れて作り上げたそうです。


僕はこの家の中にアトリエがそのまま残って見ることが出来るのかと思ったら、残念ながらそうではありませんでした。
でもよく考えると庭全体がアトリエと考えることもできます。
庭にキャンバスを持って行き、庭で思索する。
なんとも贅沢な空間です。

ちなみにオランジュリー美術館の壁画の絵を描く際に建てたアトリエは、現在家の横の売店となっているそうです。
たしかに空間はきれいでした。


このあたりの雰囲気もよく、家の形もおもしろかったです。
寄ることは出来なかったのですが、近くにとてもきれいな印象派美術館(最近リニューアルしたらしい)もありました。

パリの旅記事ももう少しでおしまいです。
予定ではこれを入れて2回。

秀桜基金仲間の佐藤さんが丁度今パリに行っていることで(あまり関係ないですか?)、今回は訪れた画材屋さんを中心に。

まずはCHARBONNEL(シャルボネ)。


世界中の版画家は大概お世話になっているであろう銅版画材料の老舗シャルボネ本店。
もちろん僕にも憧れの場所。
ノートルダム寺院の向かいモンテベロ通りにあります。

銅版画材料と親会社であるルフランの製品を中心の品揃え。
きれいに整頓された品揃え、インク以外の道具に至っては商品見本しか表に出さず、あとは棚の中に丁寧に保管され表からは見えない。
画材屋とはいえパリのエスプリを感じる。
そして圧巻の驚きは、製造元だけあってさすがにインクが安いこと。
60ccインクで6.9〜19.65ユーロですから。
予算がもっとあればもっと買っていたかったけど、それでもエレガントな店員さんが、あらあらこんなに買うの!とビックリされるほど買ったらしい。
いろいろフランス語で言ってくれるだけどよくわからないのが残念。
ちなみに缶の方が割安なのだけど、どうしても乾燥が早くなってしまうので僕はチューブの方が好みなのでチューブを買う。


製本、修復材料屋さんのRELMA

ここは上記のシャルボネの近くにあります。
ここはスゴかった。
何部屋かあるのだけど、一つの部屋は4面上から下まで皮だらけ、もう一つの部屋は同じようにマーブル紙、それ以外の材料も沢山あって選びきれない。
シャルボネもそうだけど、ここに居るだけで幸せ、時間がどんどん過ぎていく。

それで憧れの羊皮紙をとうとう買いました。
1枚で80ユーロ。
さぁ、どう使おう、嬉しい悩みなり。


そして一般向けの画材屋Rougier & Plé (ルージエ・プレ)。


何店舗かあるみたいですが僕はボーマルシェ通り沿いにある店へ。
地下から3階までが画材でびっしり。
絵具とかばっかりではなくて工作用品も沢山。
やはり当然ですがフランス製の製品などは日本に比べると安いですね。
ありがたやありがたや。


他に行ったお店はSENNELIER(セヌリエ)。
ルーブル美術館の対岸にあるピカソ、セザンヌも御用達の名店ですね。


紙製品の専門店Papier +(パピエ・プリュス)

同じくCalligrane(カリグラン)
この2店は向かい合ってあります。

びっくりするほどお洒落な封筒、ノート、手帳、函、、、。
参考資料、参考資料、、、と思いつつ購入。


と、このように予算を無視して買い漁ってしまったので、後々の家計に響いていることをこの時は自覚していませんでしたが、それはまた別のお話。


さてこのころパリはすでに夏から秋の雰囲気。



残暑厳しいローマから丁度いい感じに避暑に来たみたいで過ごしやすい。
実はこのあとローマに帰って来て、たった1週間の間に残暑が消えて急に涼しくなっていたのには正直戸惑いました。


宿から見えた夕日もちょっとローマとは違う気配でした。

以前の記事にもチラリと書きましたが、今回パリで食べた物を抜き書き。


宿の近くレプブリック広場にあるLeon de Bruxelles
ここはムール貝料理専門店。
時間になると行列ができるので何事かと興味を持ちました。
1人だったのでグループより先に入店させてもらう。

頼んだのはムール貝のココット蒸し、カレーマドラス味。


テンポよくやって来た大量のムール貝。
丁度良い具合に蒸されていて身もプリプリで旨い。
これは他の味も楽しみたい。
従業員の人もキビキビ働いていて気持ちよい。


モンマルトルの方に美味しいクレープ屋さんが多いと聞いていたけど、今回はそっち方面には行かなかったので、ギュスターヴ・モロー美術館への道すがらにあったクレーップ屋さんにて。


卵とハムとチーズの一番豪華なもの。
でもこの状態の写真だと中身が見えませんね。
クレープって言うと甘い物が入ったおやつ感覚だけど、これはずっしりと重くて、この後昼食を食べようと思ったけど、十分な量。
安い上に熱々で美味しいくて満足。
本場はひと味違いますね。


画材屋のシャルボネと紙、修復、製本材料屋さんのrelmaの近くl'aparte


なんとも黒色で統一されたお洒落なレストラン。
テーブルの上には背の高いバラが一輪。


本日のアミューズ。
揚げ春巻きに香油です。
春巻きだけでも美味しいのですが、この香油が不思議なもので、これをつけると旨味がグンと増してビックリ。
こういう食べ方があるのかと関心。


カルボーナーラ。
というよりクリームパスタのような感じ。
パスタは手打ちのようです。
美味しいけど春巻きほど驚きは少ない。
少々重いかな。


お会計の時に出て来たグミ。
卵とイチゴを模してあります。
これも食感もよく美味しい。
こういうさりげない心遣いが嬉しい。


地下鉄porte maillotの近くLe Relais de Venise


ここはステーキ一本で勝負している知る人ぞ知る名店です。

7時頃行くともう入店待ちの人たちで列が出来ていました。
席に着くと飲み物と焼き方を聞かれます。
つまりメニューはサラダとステーキが1種類だけ、他に飲み物とデザートだけは数種類あるだけ。
紙製のテーブルクロスの上に注文を書く。
なんとも大雑把。
でもこのスタイルを貫き通して成功しているお店。


待っているとクルミのかかったサラダ。


メインのステーキ。
ほどほどの焼き具合でポンフリとの相性が抜群。
ソースもマスタード系のような不思議な味。
僕はソース無くてもいいなぁ。
食べ終わると、もう一皿おかわりが出てきます。
2皿で1人前と言うことらしいです。
僕的には2人前でもよかったなぁ。


頼んだワインはサンテミリオンのハーフ。
値段の割に随分美味しい。

デザートにマールのシャーベットも頼んだけど写真を撮るのを忘れました。
従業員も全て女性、取り仕切るのもオーラのある女将。
活気のある面白いワクワク感のあるお店でした。


今回のパリではいろんな意味でしっかりと収穫のあった旅でした

パリの記事がもうすこし続きます。

今回は現代美術の城、ポンピドゥー・センター。
ポンピドゥー・センターの中には図書館やら音楽関係の施設やらが入っているらしく、4、5、6階が国立近代美術館になっています。

4階が企画展示室。
今回は「女性」に焦点を当てた展覧会などが開催中でした。
5階が近代美術のコレクション室。
いやー、すごかった。
あんなに沢山、近代美術を見れるとは思わなかった。
というより広すぎる。
完全に麻痺してしまった。
いままで見たかった物がすべてそこに在りました。
そんな中でもピカソはすごいなぁと感心してしまう。
オランジュリーで見たのも良かったし、今回はピカソの良い作品を見ることの出来た旅行でした。
でも、ピカソ美術館は2012年まで改装中ということで見られませんでした、残念。
6階も企画展示室。
だったのだけど、展示替えとかで入れず。
スーラージュ展見たかったなぁ。

付属の施設としてブランクーシのアトリエがあります。
作家の意思で生前の姿そのままに寄贈、保管された物なのでまだ作家の息づかいが残っているようで、ちょっとわくわくしました。
人の仕事場というのは、緊張もするけどとてもよい刺激になります。
作品も制作途中のままで転がっているような物もあってドキドキ。


ローマでは建築物の物量に圧倒されるけど、今回のパリでは絵画の量に圧倒されました。
(正直、僕はローマで建物に圧倒されまくったので、他の街に行っても物量的に少々の建物には驚かなくなりました。)

そしてあらためて絵画の復権をしないといけないと心に誓いました。

さてポンピドゥー・センターをでると前は広場になっていて、日曜日なので大道芸をやっていました。
きちんと認可制なのでそれなりの実力を持った芸人さんがやっているので安心して楽しめる。
地下鉄構内などの芸人さんも認可された人たちのようです。
それに街を歩いていると至る所でショーをしていて、とても嬉しくなりました。
やはり実力のある人たちが努力してちゃんとやるっていいなぁ。
ローマなんて、バイオリン弾けないのにバイオリンもって弾いてるふりとか、すっごい下手なのとか居て(見てると逆に凹んで)スゴいってのに出会わなかったけど、パリは沢山居る。


この芸人さんは1時間の持ち時間のうち綱に乗るまでで40分以上乗る乗らない乗る乗らないとお客さんを引っ張ってました。
最後が5ボールで締め。
静岡の大道芸フェスティバルだったら、ここで5クラブなんだろうけどそれまでが面白かったので満足。

その後、知り合いに勧められたシテ島のセント・チャペルへ。


外観もなかなかカッコいい感じです。
でも中はもっと素晴らしかったです。
1階はちょっと薄暗く渋めの空間。
そして2階に上がると


4面すべてがステンドグラスに囲まれて、知り合いが「まるで万華鏡みたい」と言ったのは言い得て妙だと思う。
上がった瞬間、オーっと言っちゃいましたから。
太陽の推移で光がどんどん変わります。

いつまでも居たくなるような空間でした。

パリ市近代美術館

デュフィの「電気の精」の超巨大壁画で有名な美術館。
近代美術館と言いながらも、ここには現代美術も沢山コレクションされている。
しかも今回は絵画を中心に展示されていた。
シグマール・ポルケ、ゲオルグ・バゼリッツ、クリストファー・ウォール、ベルトラン・ラヴィエールの作品が気になる。
フラフラ見ているとマティスの「ダンス」の部屋というのがあった。
大ホールに「ダンス」の3連作とダニエル・ビュランの作品だけが向かい合うように展示されている豪華な部屋。
ダニエル・ビュランの作品も例のただのストライプだけなんだけどマティスに対比するように、小気味よい展示。
見ている方がウキウキしてくる。
これは気持ちよい。
今回の企画展もとても面白い展示でした。
もう一つの企画はアンリ・カルティエ・ブレッソン。
これは日本でも何度も見ている物なのでパス。

ここはかなり見応えのある素晴らしい美術館でした。
市立美術館の規模でこの展示ができるってパリだからだと思う。


つづいてケ・ブランリー美術館


ここも人づてにスゴいよ、と聞いていたので楽しみにしていた。
(そのわりに何があるのかは知らなかった。)
行ってみて確かにビックリ。
アフリカ、アメリカ、オセアニア、南北アメリカの原始美術の展示、収集、保存の美術館であった。
ただし文化というより文明の展示に近いのじゃないかと思う。
美術館と言うよりは博物館みたいな気がする。
それぞれの展示品の持つ、なにか得体の知れないパワー(まさに異形)をひしひし感じ、圧倒される。
その文明、民族の先人の思いがたっぷり詰まっているのだろう。
企画展のターザン展には興味のかけらもありませんでした。


夜は晩ご飯を食べた後エッフェル塔に登る。
実はこのケ・ブランリー美術館に行く前に登ろうと思ったら、長蛇の列。
その際に23時まで登れることが分かったので、時間をずらしたつもり、、、、
が、21時過ぎに行くと相変わらずの長蛇の列。
22時過ぎには3階(頂上)行きがお仕舞いになり、2階だけに行けるようになる。


それでも素敵な夜景が見られました。

面白かったのは、町を歩いていると、公園に卓球台があり人々が卓球に興じている。


金属製なので壊れないし、いいなぁ、楽しそう。
さすが、ガシアン(という選手)が居た国。

前回パリに来た後、みんなに「なんでオランジュリー美術館に行かなかったんだ!」と言われたのを覚えていて、今度こそ、という訳でオランジュリー美術館へ。

入ってすぐにモネの睡蓮の部屋へ。
静寂の狭間に聞こえる音楽と一緒に睡蓮の連作が迎えてくれた。
朝一だったので、観客も少なく良い雰囲気。
四面を囲まれると、見ると言うより浴びるという感覚。

今、あまりモネに興味は無いのだけど、ここを見るとジヴェルニーのモネの庭に行っても良いかなという気がした。

地下には本当に良質な印象派コレクション。
印象派ではないのだろうけど、スーティンの画面をのたうちまわるような絵具が素敵。

続いてお向かいのジュ・ド・ポーム国立美術館
写真となんだか政治的な展覧会をしていました。

プチパレ、グランパレ。
プチパレと言いながら、狭くない。
意外にたくさんの展示品がある。
残念ながらグランパレは改装中でした。


でも改装中のガラスを色とりどりの透明シートでカバーしているのはステンドグラスみたいできれいでした。
シート越しに見事なガラス張りの天井が見れます。


もうこれだけでも十分疲れます。
でもオランジュリー美術館の展示量は質も併せて僕にとっては丁度良いように思われました。

さて今回、パリに来るにあたって3つ、目標がありました。
1. 美術館をまわる。
2. 紙、画材、書籍の収集。
3. 肉を食べる。


ということで、前夜に食べた物から。


パリのビストロという響きにそそられて宿の近所のビストロへ。


自家製テリーヌ。
ほどほどに硬めの出来。
もっと硬くても面白くなるような気もする。
でもワインのすすむ味。


ステーキ。
ヨーロッパに黒毛信仰は無いので噛み応えのある赤毛
でも本当に肉らしい風味。

ワインはブルゴーニュとコート・ド・デュラスを1杯ずつ。

9月始めの季節は全体的にパリへの観光客は少ないんじゃないかと思う。
気候も丁度良く、随分歩きやすかった。


さてパリの3大美術館の一つ、ルーブル美術館へ。

いつもチケットを買うのにたいへんな行列の美術館ですが、事前にパリミュージアムパスを買っていたのでスムーズに入館。
このミュージアムパス、加盟している美術館(ほとんどの美術館)の入館料がナント無料になるのです。
と言うことはチケット売り場に列ばなくて良いのです。
素晴らしいシステムです。
2日券、4日券、6日券があります。



しかしルーブル美術館、広すぎ。
最後の方にはフラフラ、麻痺してしまって作品の善し悪しは分かっても感動も何もあったものではない。
それでも全ての作品が名作、傑作というばかりではない。
教科書でみたような作品ばかり。
そんななかでも気になる作家は、フィリッポ・リッピ、フラ・ディアマンテ、ピサネッロ、ギルランダイオ、ジュゼッペ・アルチンボルト、ジョバンニ・フランチェスコ・カボト、ジョルジョ・ド・ラ・トゥール、ホルバイン、クラナッハ、ブリューゲル、ヤン・ファン・エイク、ジョゼ・リーフェリンセぐらいか。

その間、窓から外を見ると、降ったり晴れたり降ったり晴れたりの繰り返し。
不思議な天気です。

なんとか見終わると、まだ時間があるので対岸のオルセー美術館へ。
以前はたいへんに興味のあった印象派も、最近の興味はゼロに近い。
それでもボナールなどのナビ派には興味を持っていて、見たいと思っていたので、ここで見れたのは有り難い。
つらつら眺めて思うのはゴッホやセザンヌなどのpost- impressionnismeを「後期印象派」と訳するのは間違いじゃないのかと思う。

前来た時よりもルドンの展示作品が少なくて残念。
日本でも話題だったヴィルヘルム・ハンマースホイも展示されていた。
あまり好きではないゴッホだけど、やっぱり良い作品には感動する。

5時半閉館ギリギリまで居てヘロヘロになって美術館を出る。
やっぱりルーブル・オルセーの2館を1日に廻ってしっかり見るというのは目も脳も随分疲れる。
いっぺんに見れると言うのは有り難いけど、もう少しまとめて手頃なサイズの美術館がつくづく好きだなと思う。


アレクサンドル3世橋とエッフェル塔。


夜のエッフェル塔。

イタリア滞在最後の締めくくりとして1週間ほどパリに行ってきました。
およそ10年ぶりに訪れたパリは、随分きれいになっている気がする。
エレガントでどこかウキウキします。
歩いている人たちもお洒落でイタリアと全然違う。

もう完全に浮き足立ってしまった僕は飛行機の中にガイドブックを忘れて無くしてしまうという信じられないミスをする。
ガイドブックにはいろいろ行きたい所とかメモしていたけど、それもパー。
茫然自失。
フランス側の空港はボーベイ空港という聞いたことも無い所。
(パリの端のメトロからバスで1時間15分という場所にあった。)
一瞬涙かと思ったけどよく考えるとしとしと雨。

幸いなことに、宿の場所などはある程度プリントしてきていたのと、PCを持って来ていたのでもう一度調べることにして、気を落ち着かせ宿へ。

よく考えると昔の人は地図もガイドブックも無い場所へと旅をして来たのだから、それはそれで面白い旅が出来るかもしれない。
何事もインスタントじゃ面白くないよね、ということで続きはまた明日。



出発のチャンピーノ空港に向かう地下鉄アニャニーナ駅のバス停より。

友達に誘われ、夜行列車に乗ってトリノへ。
荒川静香が金メダルを取ったトリノオリンピックのあった所。

朝着いたトリノは、さすが北イタリア、ローマのあの暑さは何なんだと思うほど涼しい。
聞く所によると130万人都市らしいですが、バカンス中なのか人が随分少ない。
それがかえって穏やかなに落ち着いた雰囲気を醸し出す。
街の雰囲気もローマともミラノとも違う。
サボイア王家のお膝元だった所為かとってもエレガント。
建物も垂直水平、幾何学直線が多用されています。




そして今、何がトリノの名物かと言うとこれ。


チョコレート。
チョコパスというのがあって、僕は買わなかったけど、友達は買いました。
市内に何十店舗もあるというチョコレート屋さん、バールなどで記念品、割引などの様々なサービスが受けられます。


とても広いサンカルロ広場も幾何学で構成されていて美しい。
光、影の角度とこんなに広いのに人が少ないので不思議な印象。
こういう街角、憂いを持ったキリコの絵画の様。

トリノが一望できる場所に行きました。


その名もモンテ・デイ・カプチーニ(monte dei cappucini)。
トリノらしい名前。
ポー川の流れと穏やかな街の雰囲気が優しくて、「またいつでもおいで」と言っているように感じました。


さて肝心のチョコレートのお土産ですが、日本に持って帰ると全部一つになっちゃうぐらい溶けちゃうと思ったので、美味しく私のお腹の中に納めました。

あっという間にイタリアでの滞在もあと1ヶ月。
何が出来たのか、何が出来なかったのか。
案外、何も出来なかった気もする。

まだイタリアに来る余地を残しての帰国になりそう。
全部見て、全部知っちゃうとイタリアにもう来ることがなくなってしまいそうなので。

それでももう少しイタリアでフラフラしてみようと思う。


ホームページのnewsに帰国後の予定をアップしました。
帰国したらすぐに版画種の制作に取りかからないといけません。
作品を作る時は常に連作をイメージして制作しているので、その流れで今まで何回も版画集は作っている。
きっかけとなるイメージ(言葉)が掴めればで作れるのだけど、まだ決定的な言葉は降ってきません。
そこらあたりにありそうな気配はするんだけどね。

旅から帰って、、、
あまりノスタルジックにはなりたくないなぁ。
木口木版でいけないかなぁ。
ぼーっと方向性を探る。

結局、一番悩むのは作品を包むタトウであったりのこと。


本を作りたいなぁ。
でも製本すると、飾りにくいかなぁ。
うーん、製本版、タトウ版の両方という手もあるか。
そうなると時間的にどうなのか。


とりあえずここからはじめてみようか。

テルミニ駅よりカブール通りをコロッセオ方面左側に急な階段がある。
そのトンネル状の階段(ボルジアの階段)を上るときれいな青空と不思議な広場に出る。

その広場にサン・ピエトロ・イン・ヴィンコリ教会がある。
ここにはミケランジェロ作のモーゼ像がある。


勝手な想像でカピトリーニ美術館の「物を言う像」の様に屋外にあると思っていたけど協会内にあるし、ダヴィデのように大きいのだと思っていたけど、思ったより小さかったのが意外。
ミケランジェロ特有の身体をねじった形。
唇もブルータスのような形で意思、決意を表している。
上へ上へと昇華していくイメージが爽やかな造形。

この教会の雰囲気もいい感じ。


版画材料マニア向け。
そういえば載せると言っていたフィレンツェ、ミラノでの収穫。


結構マニアックな物、入荷致しました。
何に使うのか分からない物もあります。

昨日はバカンスのど真ん中、土曜日さらにフェラゴスト(聖母被昇天の祝日)ということでイタリア中がお休み。
ローマ、人がほとんど居ません。
当然お店もほっとんどお休み。
もしかしたらローマ人よりローマ以外からやって来た観光客の方が多いかもしれない。
こんなに人、車の少ないローマは初めて見ました。

さて話は戻ってミラノの話。
正直、ローマ、ヴェネチアを訪れた後ではそうミラノに驚かない。
イタリア1、都会と言われるミラノなので、多分、価値観が日本に近いからだと思う。


ブレア国立絵画館
有名なマンテーニャの「死せるキリスト」がある。
カラヴァッジョやたくさんの絵画もあるのだけれどイマイチ心が魅かれない。
なんでかな。
面白かったのは、収蔵庫や修復室があるのだけれど、ガラス張りになっていてなかで作業しているのが見える。
収蔵庫もラックに作品が掛かっていて、一番手前の作品には展示してますよ、ということでキャプションが付いている。
ロープで仕切られ入ることの出来ない展示室に近現代美術コレクションあるのが見える。
ポリアコフがあるのが見える。
見たいけど、閉まっていて見れない。
残念。

アンブロジアーナ絵画館
ラファエッロの「アテナの学堂」(ヴァティカン美術館にある絵)の下絵がある。
下絵に転写する為の穴がポツポツあいていて興味深い。
さすがにカラヴァッジョの「果物籠」は良い。
背景の黄地は金箔だと思っていたけど、絵具で塗っていて、そうなんだという感じ。
意外にしっとりしている雰囲気。

ポルディ・ペッツォーリ美術館
派手さがないので、落ち着いて見られて気に入った美術館。
ボッティチェリの「聖母子」も良いけど、ボッライウォーロの「若い貴婦人の肖像」は見入ってしまう素晴らしさ。
丁寧に描かれているので、十分な鑑賞に堪えうる画面。
落ち着いたテンペラの雰囲気っていいなぁ。

スフォルツァ城の市立博物館
城内に絵画、彫刻、陶器、楽器、その他様々なコレクションがあって面白い。
なかでもミケランジェロの「ロンダニーニのピエタ」が最高に良い。
キリストの横にもう一つの腕があるのが、様々な想像を巡らせれて面白い。
物理面、精神面の両方向性から考えることが出来る。
これだけをヒントにシリーズで作品を作れそうな強いインスピレーションを貰うことができた。
なぜ、そこに腕があるかっていう理由は、よく知られているらしいので省きますが、そういう制作方法もあるのかと、これまた目から鱗。
この作品は見るべきです。


観光の中心地、ドゥオーモは白い大理石製だけどよく見ると様々な色の大理石を使用しているので、ずっと見ているとどんどん色が変わって美しい。


屋上にも登りました。
トゲトゲでした。

ブレア絵画館の中にはアカデミアがあるので、その周辺(ブレア地区)には画廊や画材屋が点在しています。
画廊ではモランディの良いのが展示してありました。
欲しかった。
画材屋ではこんなコレクションがディスプレイされていました。


版画家垂涎です。

さすがにミラノ、お洒落なデザインショップがたくさんあります。
わくわくします。
食べ物のレベルも高くて嬉しい町でした。

ちなみに最後の晩餐は予約が1ヶ月先まで一杯ということで見ることが出来ませんでした。
残念。

ローマに帰って来てから随分経ってしまったけど、今更ながらにフィレンツェの続きを簡単にアップ。
フィレンツェのあとはヴェネチア、ミラノとまわりました。
今回はヴェネチア。

ヴェネチアに着いたとたんにビックリしました。
写真、映像では知っていたけど本当にこんな所があるのかと思いました。



ローマでも驚いたけどヴェネチアも不思議な所です。
空気も人々の心も空に昇華していっているような気がします。


ヴェネチアビエンナーレ
展示場は大会場2つ(アルセナーレとジャルディーノ)とヴェネチア全体にある様々な施設に無数に点在しています。
正直、あまり興味のある展示はありませんでした。
やっぱり、1点や2点では判断しきれないということもあるし、個人的に立体だとか映像とかに魅かれない所為もあるとは思います。
しかし、改めて思うのは、平面の力をもう一度示さなければならないということ。
カタログ買いましたので見たい方は言ってください。

ペギー・グッゲンハイム・コレクション


本当に良質の現代絵画(といってもちょっと前)のコレクションを見る。
これを見ると日本にある作品(同じ作家の)てロクナモノないじゃんと思ってしまう。
企画展でロバート・ラウシェンバーグの立体作品の展覧会をしている。
ラウシェンバーグの立体は初めて見る。
すっごい感動した。
言ってしまえば既にスクラップになってしまったような、どうしようもない機械などの部品を寄せ集めて全く別の物を作り上げる。
硬いものを柔らかく、汚いものを美しく、生き物のようであったり、全く別の機械であったり、スピード、力、激しさ、優しさ、微笑み、見る我々に与える感情の豊かさには降参。
こんなことが出来るなんて知らなかった。
今更だけど、もう一度勉強してみる価値あり。
これもカタログ買いました。

プンタ・デッラ・ドガーナとパラッツォ・グラッシ
プンタ・デッラ・ドガーナは安藤忠雄さんの建築で話題になったところ。
こことグラッシ宮殿の両館で開催中の展覧会「MAPPING THE STUDIO」。
ここもグッゲンハイムに続いてスゴいよかった。
マルレーネ・デュマス、リュック・タイマンス、シグマール・ポルケ、ジェフ・クーンズ、村上隆、サイ・トゥオンブリなど最新の現代絵画がたくさん見れました。
この規模の展覧会は日本では開催不可能なんじゃないのかという内容。
この展覧会に関してはカタログを買いませんでした。
でもローマで売っていたら買おうと思います。


やっぱりヴィエンナーレの関係か現代アートがたくさん見れて、幸せになって、いろいろ刺激を受けることが出来ました。
ということでヴェネチアが大好きになって、あっという間に3日間が過ぎていきました。
やっぱり3日じゃ足りないなぁ。



フィレンツェに今回行きたかったのはウフィツィ美術館に行きたかったから。
いくらフィレンツェに行ったと言ってもウフィツィ美術館に行かなければ行った意味にはならないと考えていました。

有り難いことに予約していただいたのでスムーズに入館できました。
美術館で手帳にメモをしたことをそのまま以下に書き写す。


フィリッポ・リッピ、たおやかな気品に心を奪われる。

フィリッピーノ・リッピ、単独で見ると素晴らしい作品もあるが父フィリッポに比べるとぎこちなく感じる。

ギルランダイオ、端正でカッコいい。

ボッティチェリ、シックな色、かなり重い色を使っているのに軽い、輪郭線ー細部をしっかり線(優美な曲線)で描いているからか、構成は抜群、ヴィーナスの誕生のアエレオが軽く浮いている。
思ったより黒系の色をたくさん使っている。知的な印象を与える→イタリアぽくない?プリマヴェーラ、ヴィーナスの誕生が思ったより大きくなくて不思議な感じ。けっこう花柄の服の女性が沢山出てくる、意外にお洒落じゃないですか。

レオナルド・ダ・ヴィンチ、師匠ヴェロッキオとの受胎告知の合作。軽やかな天使に目が行く。普通の受胎告知は柱、壁などで空間が分断されるのだがなぜ一つの空間の中での出来事なのか。むしろなぜ空間が分断されているか。

ミケランジェロ、ひじょうに鮮やかな色彩。蛍光のようなピンクには驚いた。額の3D表現にもビックリ。

このようなことを思いながら(未整理だけど)ぐるぐる巡る。


ウフィツィ美術館、渡り廊下より。

そういえばツアーガイドの人ってなぜ絵の一番真ん前に立って説明するのでしょうね。
絵を見る側にとっては邪魔で仕様がないのですが。
絵ではなくてガイドさんが主役になったようですね。


美術館よりヴァザルリの回廊、ポンテ・ヴェッキオを眺める。

これを見るとフィレンツェってメディチ家という合い言葉に全てつながっていくのだなぁと納得。

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プロフィール
HN:
yusuke-okamura
年齢:
45
性別:
男性
誕生日:
1979/02/15
職業:
版画家
趣味:
大道芸
自己紹介:
銅版画による色彩の研究と、アートを通した心豊かな暮らしを提案するために版画を制作しています。
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